「ポケモンZAのシナリオ、なんかひどくない?」——発売後、SNSやレビューサイトでそんな声が多く目についた方も多いはずです。主人公の動機がさっぱりわからない、カラスバというキャラクターの扱いがどこかおかしい、舞台がミアレシティを一歩も出ないまま終わってしまう……。批判の声はさまざまな角度から上がっており、「シナリオがひどい」という印象が広がっているようです。
しかし実際にプレイした人たちの感想を読み込んでいくと、批判が集中しているのは「主人公の動機設定の弱さ」と「カラスバというキャラクターの描写の矛盾」に大きく絞られることがわかります。一方で、ストーリー終盤の演出は「今までのポケモンの中でもかなりいい方」との声もあり、評価が単純に低いわけでもないようです。
この記事では、ポケモンZAのシナリオに対する批判がなぜ起きているのかを整理したうえで、プレイした方々から上がっている前向きな評価も合わせてご紹介します。「シナリオがひどい」という言葉だけで判断する前に、何が問題とされていて、何が評価されているのかを知りたい方のお役に立てれば幸いです。
- ポケモンZAのシナリオ批判が集中するのは「主人公の動機設定の弱さ」と「カラスバの描写矛盾」
- バトルシステムへの不満はシナリオとは別問題だが同時に語られることが多い
- ストーリー終盤やムービー演出は高く評価されており、一概にひどいとは言えない
- サイドミッション100以上の世界観の深さが不満を補っているとの声もある
ポケモンZAのシナリオがひどいと感じる原因
- 主人公の設定と動機が弱いと言われる理由
- メガシンカバトルとシナリオ接続の問題
- カラスバキャラクターの描写矛盾と整合性
- ミアレシティのみの舞台と冒険感の不足
主人公の設定と動機が弱いと言われる理由

プレイヤーから最も多く指摘されているのが、主人公の設定と動機の弱さです。ポケモンZAの主人公は「観光客」という設定で、ミアレシティを訪れている旅行者として物語が始まります。この点について、note.comに掲載されたプレイ感想記事(「ポケモンZAがなぜつまらなかったのか」)では「主人公が主人公になる理由がなにもない。ここまで主人公になる理由がないのは流石に他に記憶がない」との報告があります。
同記事では「そもそもこの観光客、何日観光しているのか。『旅に出ました』ならわかるけど『観光しに来ました』な上、どういう理由で来たかもわからないから、何一つ納得できない」という声が記されています。「せめてランクAを目指しに来ました、くらいの設定をつけてほしい」とも述べられており、最低限の動機付けがあれば受け入れられたかもしれないという意見が示されています。
前作の「ポケモン LEGENDS アルセウス」では、なぜ主人公がそういう展開に巻き込まれるのか、なぜその相手と戦うのかに「ちゃんと理由付けがあった」という比較もなされており、同じLEGENDSシリーズとしての落差を感じたプレイヤーが多かったようです。「暴れているのに出くわした、くらいの簡単な理由付けでも十分だったはず」とも記されており、複雑な設定を求めているわけではないという指摘がなされています。
また別のプレイ感想(note.com「40時間プレイしたポケモンZA 正直な感想」)では、ストーリーの途中で「この街を守る覚悟はあるのか」と問われるタイミングがあり、主人公が「ミアレの観光者」という設定のため、それまでに特に思い入れがないプレイヤーには、あのタイミングで違和感を感じることもあっただろう、との報告があります。

メガシンカバトルとシナリオ接続の問題

シナリオへの批判の中でもとりわけ「説明不足」として挙げられているのが、メガシンカバトルとシナリオとの接続の問題です。前出のnote.com記事では「特に理由なくよくわからん特殊メガシンカと毎回3回戦わされる理由がある?」との報告があります。
「説明がないのと単純とは違う」——批判の多くはここに集中しています
同記事では「屋根の上からなぜあんな変な超空間になるのか説明もない」「社の人たちが何をしているのかも不明」「ラストシナリオの敵たちはなぜああいう戦いにならないのか、それまでと何が違うのかわからない」といった点が具体的に列挙されています。
ここで述べられている核心的な批評が「複雑なシナリオを求めているんじゃない。子供にも伝わりやすいシナリオでいいと思うんです。でも説明がないのと単純とは違う」という言葉です。シナリオの複雑さを求めているわけではなく、最低限の理由付けや説明がない点を問題視しているとのことです。
前作「ポケモン LEGENDS アルセウス」では「なんでそういう展開になるのか」「なんでそれと戦うのか」に丁寧な理由付けがあったとの比較の報告もあり、同じ開発チームによる続編でありながら理由付けの丁寧さに大きな差があると感じたとのことです。

カラスバキャラクターの描写矛盾と整合性

ポケモンZAのシナリオ批判のもう一つの大きな柱が、カラスバというキャラクターの描写をめぐる問題です。まとめサイト「ねいろ速報」に掲載された複数プレイヤーの声では、カラスバに対するさまざまな指摘が寄せられています。
まず行為の面では「子供を騙して借金地獄に落とす」「法外な利息」という点が挙げられており、「それだけでお釣りがくるヤクザだろ」との声が出ています。さらに「主人公の携帯番号を勝手に調べた」「下っ端に因縁付けさせ、ボコされた後にジプソが更に因縁を付けてきた」「承諾するまで帰れへんでみたいなガチの脅し方をしてきた」といった具体的な行動も指摘されています。
問題とされているのは「悪いキャラ」であること自体ではなく、その後の扱い方の整合性のようです
一方でこれらの行動とは別に、他のシーンではいい人として描写され続けることへの違和感も多く語られています。「借金問題が特大のノイズすぎる」「他のシーンでなんかいい人って感じに描写され続けるだけに、最初の借金問題が特大のノイズとして機能している」という声が寄せられています。
DLCについてはガイニーが「借金チャラにしてくれてありがとうございましたとか言い始めた時はテキストを読み間違えたのかと思った」「それ言われたカラスバが『ええねんええねん』みたいな返事をしたのもおかしい」との報告があります。「歴代の悪の組織は主人公に倒されてちゃんと報いを受けているのに、カラスバは最後まで持ち上げられ続ける」との指摘もあり、「悪人でも善人でもない中途半端な描写」「ヤクザ描写として練り込みが浅すぎたのではないか」との声が確認されています。

ミアレシティのみの舞台と冒険感の不足

シナリオへの批判と合わせて語られることが多いのが、舞台の狭さに対する不満です。前出のnote.com記事では「舞台がミアレシティのみで冒険感がない」という点が率直に述べられています。
同記事では「このゲーム、どんなにグルグル回っても同じ音楽を延々聞かされて同じような景色を延々見せられるだけ」「1日使って街中をひたすら走り回ってマッピングしたら、あとはワープして延々似たような景色を走らされるだけ」との感想が示されています。「正直、このZAはただ開発側がポケモンのオープンワールドゲームを作りたかっただけにしか見えない」「XZ派生としてZを作ろうとしたんじゃなくて、オープンワールドゲームを作りたかったから題材としてXYを使っただけにしか見えない」という踏み込んだ意見も述べられています。
note.com「40時間プレイしたポケモンZA 正直な感想」でも「今作の舞台はミアレシティのみとなっており、これまでのポケモンシリーズにあった『旅・冒険をしている』という感覚はありません」と明記されています。「街自体はしっかり作り込まれているのですが、どのエリアに行っても外観があまり変わらない」「新しい場所に来た!というわくわく感はあまりありませんでした」「広場やアベニューごとで外観に大きく違いを出しても良かった」との感想が述べられています。
ポケモンZAのシナリオや世界観を前向きに楽しむ視点
- ストーリー終盤とムービー演出への高評価
- サイドミッション100以上が補う世界観の深さ
- ファッション・キャラメイクの充実度
- アクションバトルへの慣れ方と評価
ストーリー終盤とムービー演出への高評価

シナリオへの批判が多い一方で、ストーリーの終盤については高い評価が見られます。前出のnote.com記事(「ポケモンZAがなぜつまらなかったのか」)では「このゲームのほめるところは『ラストの展開』だけです。そこだけはむしろ今までのポケモンの中でもかなりいい方だと思います」と述べられています。シナリオ全体への評価は厳しいながらも、終盤の展開については高く評価しているとのことです。
note.com「40時間プレイしたポケモンZA 正直な感想」では終盤の評価がより詳しく述べられています。「ストーリー終盤はかなり胸が熱くなる展開になり、それに合わせて大迫力なムービー演出がたくさんあります」とのことで、実際にプレイしていると「えっ、ここも?」「ここもムービーで見せてくれるんですか?」という頻度でムービーが入るとのことです。「ポケモン映画さながらの豪華さだなと感じました」「ストーリー終盤の展開はかなり自分好みで、ラストは少し泣いてしまいました」との感想も報告されています。
終盤の演出に関しては「泣いてしまった」というプレイヤーも報告されています
また「後からムービーを見返す機能がないのが残念でたまらない」という声も出ており、それほど印象に残る演出だったとのことです。序盤から中盤にかけてはMZ団を中心にした日常系アニメを見ているようなほのぼのとした内容で、デウロやピュールの人となりがわかり、自然と愛着がわくようになるとの感想も述べられています。
サイドミッション100以上が補う世界観の深さ

ミアレシティのみという舞台の制約を補っているとされているのが、サイドミッションの豊富さです。note.com「40時間プレイしたポケモンZA 正直な感想」では、メインストーリーのほかにサイドミッションとしてミアレに住む人々から依頼されることがあり、「サイドミッションの数はなんと100個以上!」と述べられています。
依頼の内容として「なくした指輪を探したり、イトマルの糸でぐるぐる巻きにされた男性を助けたり」といった具体例が挙げられており、数分で終わるものばかりとのことです。ただし「単純なお使いではなく、シナリオがしっかりしており、ミアレに住む人々とポケモンの日常が垣間見える」との感想が述べられています。
「まるでアニポケや映画『名探偵ピカチュウ』のような世界観を体感でき、めちゃくちゃ好きでした」という声もあります。さらに「メインストーリーではよくも悪くも一本道感が強く、ミアレの日常にフォーカスが当たるタイミングがあまりないのですが、サイドミッションを行うことで、ミアレの街に住んでいる人やポケモンが『ただそこに配置されている』のではなく『本当にそこに生きている』と実感することができました」とのことです。
ファッション・キャラメイクの充実度

シナリオとは別の評価ポイントとして、ファッションやキャラメイクの豊富さが挙げられています。note.com「40時間プレイしたポケモンZA 正直な感想」では「今までのポケモンシリーズの中で一番と言っていいほど服の種類が豊富です」と述べられています。服の形状だけでなくカラバリも多く用意されているとのことです。
「性別による制限はなく、男性主人公を選んだとしても、女性のような服装にできます」とのことで、プレイヤーが自分好みのキャラメイクを楽しめる環境が整っているとの感想が示されています。「気が付けばストーリーそっちのけで、服にお金と時間が溶けてしまっていました」という声もあり、充実度の高さがうかがえます。
一方で「欲を言えば、ポケモンXYの時のボリュームのあるツインテールが好きだったので、髪型はもう少し種類があっても良かったかなと思いました」という惜しいポイントも述べられており、髪型のバリエーションに物足りなさを感じるプレイヤーもいるようです。街の中には服を購入できる場所がいくつかあり、ゲームを進めながら新しい服を集めていく楽しみ方もできるようです。

アクションバトルへの慣れ方と評価

「シナリオがひどい」という評価と同時に語られることが多いのが、バトルシステムへの不満ですが、こちらについては慣れとともに評価が変わるケースも報告されています。「せいゆう部Log」のレビュー記事では「本作のバトルシステムは、トレーナーとポケモンがフィールドを駆け巡り、己のタイミングで技を繰り出す戦闘スタイルとなっています」と説明されています。ターン制ではなくリアルタイムアクション形式であるため、相手との距離があると技が当たらず、同じ技を出せるようになるまでの待ち時間(クールタイム)があるとのことです。
「20年近くポケモンのゲームをプレイしている私的にも、最初は操作が難しいと感じました」とある一方で、「プレイを進めていくと、操作も慣れてきました」との感想も述べられています。
note.com「40時間プレイしたポケモンZA 正直な感想」では「アクションが苦手な方でも相性やレベルで何とかなると思います!」とのことで、アクションに自信のないプレイヤーでも対応できる余地があるようです。「レベル上げも、ストーリーを進めたり、寄り道してたらいつの間にか上がっていたという感覚で、レベル上げのために周回するみたいなことはありませんでした」との報告もあります。また「今回のバトルシステムは、まるでアニポケのようなポケモンバトルの光景がうまくゲームで表現されており、それを体験できたことに価値があるなぁと感じました」との声も寄せられています。

ポケモンZAのシナリオ評価と楽しみ方まとめ
この記事のまとめです。
- ポケモンZAのシナリオ批判で最も多く挙げられるのは「主人公が観光客という設定で、主人公になる理由が全くない」という動機設定の弱さとのこと
- 「ランクAを目指しに来た」など最低限の設定があれば受け入れられたかもしれないとの声も報告されている
- 前作「ポケモン LEGENDS アルセウス」では丁寧な理由付けがあったとの比較が多く、同シリーズとしての落差を感じたプレイヤーがいたようです
- 「説明がないのと単純とは違う」という批評が示すように、複雑なシナリオではなく「なぜそうなるのか」の最低限の説明が求められているとのこと
- カラスバについては、子供を騙した借金問題という行動と、その後の「いい人」描写との整合性が「特大のノイズ」として機能しているとの指摘がある
- 歴代悪の組織は報いを受けるのにカラスバは最後まで持ち上げられる点を問題視する声も複数見られます
- 舞台がミアレシティのみで「旅・冒険をしている感覚がない」という声がある一方で、ミアレシティ自体はしっかり作り込まれているとの評価もあります
- ストーリー終盤については「今までのポケモンの中でもかなりいい方」「ラストは少し泣いてしまった」という高評価の声が報告されている
- 終盤の大迫力なムービー演出は「ポケモン映画さながらの豪華さ」と感じたプレイヤーもいるとのこと
- サイドミッションは100個以上あり、単純なお使いではなくシナリオがしっかりしているとの感想が述べられています
- サイドミッションをこなすことで「ミアレの街が本当にそこに生きている」と実感できたとの声もあります
- ファッション・キャラメイクについては「今までのポケモンシリーズで一番と言っていいほど服の種類が豊富」との報告がある
- アクションバトルは最初は難しいと感じるものの慣れてくるとの意見が多く、「アクションが苦手でも相性やレベルで何とかなる」との声もあります
- シナリオへの批判と終盤評価が混在しているため、「シナリオがひどい」という評価が一概にゲーム全体を指しているわけではない点は注意が必要そうです

