『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の購入を検討する際、多くの方が「どちらのバージョンを選ぶべきか」という疑問に直面しますよね。
物語の基本的な流れは同じですが、登場する伝説のポケモンや一部のキャラクター、出現するポケモンの種類には明確な違いがあります。
特に「パラドックスポケモン」と呼ばれる特殊なポケモンたちの存在は、各バージョンの魅力を大きく左右する要素です。
この記事では、博士やアカデミーといった世界観の違いから、DLC「ゼロの秘宝」で追加されたポケモンまで、全ての相違点を網羅的に解説し、あなたが最適な一本を選び出すための、最も信頼できる情報を提供します。
- テーマは「過去」のスカーレットと「未来」のバイオレット
- 伝説のポケモンはコライドンとミライドンのどちらかを選択
- パラドックスポケモンを含む数多くのバージョン限定ポケモン
- 博士や学校、キャラクターデザインにも細かな違いが存在
世界観・物語のポケモン スカーレット バイオレット 違いを徹底解説
- 伝説のポケモン「コライドン」と「ミライドン」
- 登場する博士とアカデミーの相違点
- 主人公やキャラクターの服装とデザイン
- 物語の鍵「スカーレット/バイオレットブック」
- メインストーリーに大きな違いはあるか?
『ポケットモンスター スカーレット』と『バイオレット』の最も根源的な違いは、その世界観のテーマにあります。『スカーレット』は「過去」や「古代」をテーマに据えており、登場する伝説のポケモンやキャラクターデザインも原始的で力強い印象を与えます。
一方、『バイオレット』は「未来」や「科学」をテーマとし、洗練された近未来的なデザインが特徴です。このテーマの違いは、ゲームのあらゆる側面に反映されており、プレイヤーがどちらの世界に没入したいかで選択の基準が変わってきます。まずは、これらのテーマ性が具体的にどのようにゲーム内で表現されているのか、物語や設定に関わる違いから詳しく見ていきましょう。
項目 | ポケットモンスター スカーレット | ポケットモンスター バイオレット |
伝説のポケモン | コライドン | ミライドン |
博士 | オーリム博士 | フトゥー博士 |
学校 | オレンジアカデミー | グレープアカデミー |
探検記 | スカーレットブック | バイオレットブック |
テーマカラー | オレンジ/赤 | 紫/青 |
伝説のポケモン「コライドン」と「ミライドン」

バージョンを選ぶ上で最も象徴的な違いは、パッケージを飾る伝説のポケモンです。『スカーレット』では「コライドン」、『バイオレット』では「ミライドン」が登場します。コライドンはかくとう・ドラゴンタイプで、大地を力強く駆ける原始的な魅力を持つポケモンです。一方、ミライドンはでんき・ドラゴンタイプで、未来的なテクノロジーを思わせる姿をしています。
これらのポケモンは、単なるバトル要員ではなく、広大なパルデア地方を冒険するための「ライド」仲間としても常にプレイヤーと行動を共にします。このライド時の移動モーションにもテーマ性が色濃く反映されています。コライドンは自身の強靭な脚力で四足走行し、水上では手足で水を掻いて進むなど、生物的でワイルドな動きを見せます。対照的に、ミライドンは喉や尻尾をタイヤのように変形させてエネルギーで走行し、ジェット噴射で水上を進むなど、機械的でスムーズな動きが特徴です。
冒険の大半を共に過ごすライド体験が異なるため、どちらのポケモンの動きやデザインに魅力を感じるかは、バージョン選択における極めて重要な判断基準となります。これは単なる見た目の違い以上に、パルデア地方を旅する際の「体感」そのものを左右する要素と言えるでしょう。
登場する博士とアカデミーの相違点

本作では、シリーズで初めてバージョンによって担当するポケモン博士が異なります 1。『スカーレット』では、ワイルドな衣装をまとった女性の「オーリム博士」が登場します。
彼女の研究テーマや佇まいは、ゲームの「過去」というテーマを象徴しています。一方、『バイオレット』では、近未来的なスーツに身を包んだ男性の「フトゥー博士」が登場し、「未来」というテーマを体現しています。両博士は物語の核心に深く関わる重要人物であり、どちらの博士と共に謎を追いたいかが、選択の一つの指針になります。
また、主人公が通うことになる学校もバージョンによって異なります。『スカーレット』の舞台は歴史ある「オレンジアカデミー」、『バイオレット』では先進的な「グレープアカデミー」です。学校名だけでなく、校章のデザインや生徒たちが着用する制服の基本カラーも、それぞれのバージョンテーマに合わせてオレンジ基調、グレープ基調となっています。
メインストーリーの筋書き自体は両バージョンで共通ですが、物語の案内役である博士や、冒険の拠点となるアカデミーという「舞台装置」が異なることで、同じ物語でもプレイヤーが受ける印象は大きく変わります。どちらの雰囲気が自分の好みに合うかを想像してみることが大切です。
主人公やキャラクターの服装とデザイン

バージョンによるデザインの違いは、主人公や主要な登場人物の服装にも及んでいます。主人公が着用するアカデミーの制服は、『スカーレット』ではオレンジ色のネクタイと短パンが特徴的な暖色系のデザイン、『バイオレット』では紫色を基調とした寒色系のデザインです。この基本的なカラーリングの違いは、主人公の友人であるネモ、先輩のペパー、学校の校長であるクラベル、そして敵対組織スター団のボスであるメロコやそのしたっぱ団員など、多くのキャラクターに共通して適用されています。
例えば、クラベル校長のスーツは『スカーレット』では赤基調、『バイオレット』では青基調に変わります。これにより、ゲーム全体を通して視覚的な統一感が生まれています。服装の形状そのものが大きく変わるわけではありませんが、この一貫したカラーコードによって、プレイヤーは常に自身が選んだバージョンの世界観に深く没入することができます。
どちらのカラーパレットが好みかという直感的な選択も、ゲーム体験の満足度を高める上で無視できない要素です。暖かく活気のある雰囲気が好きならスカーレット、クールで洗練された雰囲気が好きならバイオレット、というように、自分の美的感覚に合ったバージョンを選ぶことで、パルデア地方の冒険がより一層楽しいものになるでしょう。
物語の鍵「スカーレット/バイオレットブック」

物語の終盤、パルデア地方最大の謎である「エリアゼロ」の探求において中心的な役割を果たすのが、バージョンごとに異なる一冊の古書です。『スカーレット』では「スカーレットブック」、『バイオレット』では「バイオレットブック」が登場します。これらは、遠い昔にエリアゼロを踏破したとされる探検隊の手記であり、未知の領域で遭遇したとされる不思議な生物のスケッチや記録が記されています。
この本の内容こそが、バージョンによる違いを物語の根幹で支える重要な要素です。スカーレットブックには「イダイナキバ」と呼ばれる、現代のポケモン「ドンファン」の古代の姿を思わせる獰猛な怪物が描かれています。一方、バイオレットブックには「テツノワダチ」という、同じくドンファンの未来の姿を思わせる機械的な怪物が記録されています。
これらの本は、後述する「パラドックスポケモン」の存在をプレイヤーに初めて示唆するものであり、単なるバージョン限定のポケモンというゲームシステム上の都合に、説得力のある物語的な背景を与えています。この探検記の存在により、バージョンごとの違いがパルデア地方の歴史と深く結びつき、世界の謎を解き明かすという冒険の目的をより魅力的なものにしています。
メインストーリーに大きな違いはあるか?

結論から言うと、『スカーレット』と『バイオレット』のメインストーリーに大きな違いはありません。チャンピオンを目指す「チャンピオンロード」、秘伝スパイスを探す「レジェンドルート」、スター団に挑む「スターダスト★ストリート」という3つの主要な物語、そしてその後に続くエリアゼロでの最終章や、有料追加コンテンツ「ゼロの秘宝」の物語に至るまで、発生するイベントやシナリオの展開は両バージョンで完全に共通です。
では、なぜ多くの違いが存在するように感じるのでしょうか。それは、これまで述べてきたように、物語を取り巻く「文脈」や「世界観」が異なるからです。登場する博士、所属するアカデミー、物語の鍵となる古書、そして伝説のポケモン。これらの要素がバージョンごとに異なるため、同じ出来事を経験していても、プレイヤーが受け取るテーマ性や雰囲気は全く違うものになります。
この設計は、プレイヤーがストーリーの重要な部分を見逃す心配なく、純粋に自分の好み(好きなポケモンのデザイン、好きな色、好きな世界観のテーマなど)でバージョンを選べるようにという配慮から来ています。どちらを選んでも最高の冒険が待っていますが、その冒険をどのような「色」で体験したいかが、選択の鍵となるのです。
入手できるポケモン スカーレット バイオレット 違いの完全ガイド
- バージョン限定で出現するポケモン一覧
- 古代の姿?パラドックスポケモンの違い
- 未来の姿?パラドックスポケモンの違い
- DLC「ゼロの秘宝」で追加される限定ポケモン
ポケモンのゲームにおいて、バージョン選択の最も実用的な判断材料となるのが、出現するポケモンの違いです。『スカーレット・バイオレット』では、通常の一部ポケモンに加え、「パラドックスポケモン」という特別なカテゴリのポケモンがバージョン限定で数多く登場します。
さらに、有料追加コンテンツ「ゼロの秘宝」においても、新たな限定ポケモンが追加され、その違いはさらに広がりました。ここでは、ゲーム本編からDLCまで、バージョンごとに入手できるポケモンを網羅した完全なリストを掲載します。このリストを参考に、どちらのバージョンで冒険を始めたいか、じっくりと比較検討してください。
入手時期 | ポケットモンスター スカーレット限定 | ポケットモンスター バイオレット限定 |
ゲーム本編 | ヨーギラス、サナギラス、バンギラス | タツベイ、コモルー、ボーマンダ |
モノズ、ジヘッド、サザンドラ | ドラメシヤ、ドロンチ、ドラパルト | |
グレンアルマ | ソウブレイズ | |
イシヘンジン | コオリッポ | |
ヤレユータン | ナゲツケサル | |
スカンプー、スカタンク | ゴクリン、マルノーム | |
フワンテ、フワライド | ムウマ、ムウマージ | |
クズモー、ドラミドロ | ウデッポウ、ブロスター | |
パルデアケンタロス(ブレイズ種) | パルデアケンタロス(ウォーター種) | |
パラドックス | イダイナキバ | テツノワダチ |
サケブシッポ | テツノツツミ | |
アラブルタケ | テツノカイナ | |
ハバタクカミ | テツノコウベ | |
チヲハウハネ | テツノドクガ | |
スナノケガワ | テツノイバラ | |
トドロクツキ | テツノブジン | |
DLC前編「碧の仮面」 | グライガー、グライオン | エイパム、エテボース |
ウッウ | モルペコ | |
DLC後編「藍の円盤」 | ズガイドス、ラムパルド | タテトプス、トリデプス |
アローラロコン、アローラキュウコン | アローラサンド、アローラサンドパン | |
ウガツホムラ | テツノカシラ | |
タケルライコ | テツノイワオ |
バージョン限定で出現するポケモン一覧

ポケモンの伝統として、本作でも一部のポケモンは片方のバージョンでしか野生で出現しません。特に注目すべきは、過去作でも人気が高い、いわゆる「600族」と呼ばれる強力なポケモンたちです。『スカーレット』ではヨーギラスの最終進化形であるバンギラスや、モノズの最終進化形であるサザンドラが登場します。
一方、『バイオレット』ではタツベイの最終進化形であるボーマンダや、ドラメシヤの最終進化形であるドラパルトが出現します。これらのポケモンは対戦でも非常に人気が高いため、どちらのポケモンを自力で育てたいかが大きな決め手となるでしょう。
また、本作で初登場したポケモンの中でも、バージョンを象徴する存在がいます。『スカーレット』限定のグレンアルマは、ほのお・エスパータイプの正統派な騎士のようなポケモンです。対照的に、『バイオレット』限定のソウブレイズは、ほのお・ゴーストタイプで、トリッキーな戦いを得意とする双剣使いのような姿をしています。
これらのポケモンのデザインやタイプの好みも、バージョン選択の重要な要素です。もちろん、通信交換を利用すれば、もう片方のバージョンのポケモンも入手可能ですが、自分の世界でどのポケモンと出会いたいかを考えるのが、ポケモン選びの醍醐味と言えます。
古代の姿?パラドックスポケモンの違い

『スカーレット』のテーマ「過去」を最も色濃く反映しているのが、「古代の姿」と呼ばれるパラドックスポケモンたちです。これらは、パルデア地方のエリアゼロでのみ発見される、現代に生息するポケモンの祖先、あるいは原始的な姿と考えられているポケモン群です。例えば、「イダイナキバ」はドンファンの古代の姿とされ、より巨大で獰猛な外見をしています。また、「トドロクツキ」はボーマンダの祖先を思わせる姿で、翼竜のような荒々しさが特徴です。
これらの古代のパラドックスポケモンは、デザインの共通性だけでなく、能力面でも一貫した特徴を持っています。全ての古代ポケモンは、共通の特性「こだいかっせい」を持っています。この特性は、天候が「にほんばれ」状態であるか、持ち物「ブーストエナジー」を持っている時に、自身の最も高い能力がさらに上昇するという効果を発揮します。
この特性の存在により、『スカーレット』を選ぶプレイヤーは、自然と天候を「晴れ」にする戦術を中心としたチーム構築へと導かれます。伝説のポケモンであるコライドンの特性も、場に出た時に天候を晴れにする効果があるため、バージョン全体のテーマとバトル戦略が見事に融合しています。原始的でパワフルなポケモンたちで、豪快なバトルを楽しみたいプレイヤーにとって、『スカーレット』は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
未来の姿?パラドックスポケモンの違い

一方、『バイオレット』のテーマ「未来」を象徴するのが、「未来の姿」と呼ばれるパラドックスポケモンたちです。これらは、現代のポケモンが遠い未来に進化した、あるいはロボットとして再設計されたかのような姿を持つポケモン群です。例えば、「テツノワダチ」はドンファンの未来の姿とされ、全身が金属質で機械的なデザインになっています。また、「テツノブジン」はサーナイトとエルレイドという二つのポケモンが融合したかのような、洗練された未来の戦士の姿をしています。
これらの未来のパラドックスポケモンもまた、共通の特性によって能力的な一貫性が保たれています。全ての未来ポケモンは、特性「クォークチャージ」を持っています。この特性は、フィールドが「エレキフィールド」状態であるか、持ち物「ブーストエナジー」を持っている時に、自身の最も高い能力が上昇するという効果を持ちます。
この「クォークチャージ」という特性は、『バイオレット』のバトル戦略に明確な方向性を与えます。伝説のポケモンであるミライドン自身が、場に出た時にエレキフィールドを展開する特性を持っているため、未来のパラドックスポケモンたちとの相性は抜群です。機械的でクールなデザインのポケモンたちを使い、フィールド効果を駆使した戦略的でテクニカルなバトルを楽しみたいプレイヤーには、『バイオレット』が最適な選択となるはずです。
DLC「ゼロの秘宝」で追加される限定ポケモン

有料追加コンテンツ(DLC)である「ゼロの秘宝」は、「前編・碧の仮面」と「後編・藍の円盤」の二部構成で配信され、パルデア地方での冒険をさらに拡張します。このDLCを購入する際には注意が必要で、『スカーレット』のソフトには『スカーレット ゼロの秘宝』を、『バイオレット』のソフトには『バイオレット ゼロの秘宝』を購入しなければならず、逆の組み合わせではプレイできません。
このDLCにおいても、バージョン限定のポケモンが新たに追加され、それぞれのバージョンの特徴がさらに強化されました。「碧の仮面」では、『スカーレット』にグライガー系統、『バイオレット』にエイパム系統などが追加されました。「藍の円盤」では、さらに新たなパラドックスポケモンが登場します。『スカーレット』には、伝説のポケモン「エンテイ」の古代の姿とされる「ウガツホムラ」と、「ライコウ」の古代の姿とされる「タケルライコ」が追加されます。一方、『バイオレット』では、「テラキオン」の未来の姿「テツノカシラ」と、「コバルオン」の未来の姿「テツノイワオ」が登場します 6。
このように、DLCを通じてバージョンごとの独自性はさらに深まっています。これは、プレイヤー間の通信交換を促進し、コミュニティを活性化させるという長期的な意図の表れでもあります。これから購入する方は、DLCで追加されるポケモンも含めて、どちらのバージョンが自分のコレクションに加えたいポケモンが多いかを総合的に判断することが重要です。
総括:ポケモン スカーレット・バイオレットの違いを理解し、あなただけのパルデアの冒険を選ぼう
この記事のまとめです。
- 『スカーレット』のテーマは「過去」、『バイオレット』のテーマは「未来」である
- 伝説のポケモンは『スカーレット』がコライドン、『バイオレット』がミライドン
- ライド時のモーションが異なり、冒険の体感が変わる
- 博士は『スカーレット』がオーリム博士、『バイオレット』がフトゥー博士
- 学校は『スカーレット』がオレンジアカデミー、『バイオレット』がグレープアカデミー
- 主人公や一部キャラクターの服装は、スカーレットが暖色系、バイオレットが寒色系
- 物語の鍵となるアイテムは「スカーレットブック」と「バイオレットブック」
- メインストーリーの展開は両バージョンで同一である
- バージョン限定ポケモンとしてグレンアルマ(S)とソウブレイズ(V)が登場
- 600族ではバンギラス・サザンドラ(S)とボーマンダ・ドラパルト(V)に分かれる
- 「パラドックスポケモン」がバージョン限定で多数出現する
- スカーレット限定の古代ポケモンは特性「こだいかっせい」を持つ
- バイオレット限定の未来ポケモンは特性「クォークチャージ」を持つ
- DLC「ゼロの秘宝」もバージョンに紐づいており、追加の限定ポケモンが存在する
- 最終的な選択は、世界観の好みと、どちらの限定ポケモンに魅力を感じるかで決まる