ポケモン二次創作ガイドラインとは?著作権と個人利用の範囲を解説

ポケモン二次創作ガイドラインとは?著作権と個人利用の範囲を解説

ポケモンは世界的な人気コンテンツであり、イラストや同人誌、動画投稿など、さまざまな形で二次創作が活発に行われています。しかし、ポケモンの著作権管理は複数の企業が関わる複雑な構造になっており、どこまでが許容されてどこからが問題になるのか、判断が難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

個人の趣味目的での二次創作については黙認されているケースが多い一方で、公式から明確な許可が出ているわけではありません。また、商用目的や法人による利用については、ガイドラインの対象外となるため注意が必要です。

この記事では、ポケモンの著作権を管理する4社それぞれのガイドラインの内容、個人利用の範囲と条件、収益化が認められるプラットフォームの種類、さらに過去に起きた著作権侵害の実例とペナルティについて解説します。二次創作を楽しむうえで知っておきたい情報を整理していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント
  • ポケモンの著作権は任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリーク・株式会社ポケモンの4社が管理している
  • 個人の趣味目的での二次創作は黙認されているが、公式からの明確な許可はない
  • 商用目的・法人による無許諾利用・無許諾販売は著作権侵害になる可能性がある
  • 教育目的のポケモンイラストラボや公式SNS素材など、合法的に利用できる方法もある
目次

ポケモン二次創作ガイドラインの基本と著作権者の規定

  • ポケモンの著作権を管理する4社と各社のガイドライン
  • ポケモン公式サイトが定める個人利用と二次コンテンツの利用条件
  • 任天堂ガイドラインで認められる動画・静止画の投稿ルール
  • 投稿の収益化が認められるプラットフォームと注意事項
  • 個人の趣味での二次創作と守るべきマナー

ポケモンの著作権を管理する4社と各社のガイドライン

ポケモンの著作権を管理する4社と各社のガイドライン

ポケモンの著作権は、1社だけでなく複数の企業が管理しています。具体的には、任天堂株式会社・株式会社クリーチャーズ・株式会社ゲームフリーク・株式会社ポケモンの4社が著作権者とされており、さらにポケモングループが指定する第三者にも著作権が帰属する場合があります。

任天堂株式会社はビデオゲームの製造・販売を担い、株式会社クリーチャーズはトレーディングカードゲームやビデオゲームの開発に関わっています。株式会社ゲームフリークはポケモンシリーズの原案・ビデオゲーム開発を担当し、株式会社ポケモンはポケモンの総合プロデュースを行う企業です。

それぞれの企業が異なる役割を持っているため、どの利用形態がどの企業のガイドラインに関係するかを把握しておくことが大切です。たとえば、ゲーム動画の投稿については任天堂のガイドラインが、アニメ関連の著作権管理については株式会社小学館集英社プロダクション(ShoPro)が対応窓口となっています。

また、ゲームフリークの著作権管理窓口は株式会社集英社プロダクションに委託されており、商用利用を検討する場合はこちらへの申請が必要になります。このように複数の窓口が存在するため、利用目的に応じて適切な問い合わせ先を確認することが求められます。

ポケモン公式サイトが定める個人利用と二次コンテンツの利用条件

ポケモン公式サイトが定める個人利用と二次コンテンツの利用条件

ポケモン公式サイトでは、ポケモンの財産に基づいて作成された二次的な創作物(二次コンテンツ)について、いくつかの重要な条件が定められています。

まず、二次コンテンツの創作者・利用者は、株式会社ポケモンおよび関係者に対して、非独占的・サブライセンス可能・無償・無期限かつ取消不能な全世界を対象とするライセンスを許諾したとみなされます。つまり、ポケモンを題材とした創作物を公開した時点で、公式側がその内容を利用できる立場になるという点は理解しておく必要があります。

また、株式会社ポケモンおよび関係者は、二次コンテンツに対して対価や報酬を支払う義務を一切負いません。さらに、二次コンテンツを作成した側は、著作者人格権・プライバシー権・財産権・公表権・素材やアイデアのクレジットに関する権利など、あらゆる権利に基づく主張を行うことができないとされています。

個人利用の範囲については、サイトに掲載されているデータを個人的に楽しむ場合に限り利用が許諾されますが、著作権は譲渡されません。また、データのコピー・複製・改変・出版・掲示・電送・配布は禁止されています。個人的な利用を超えたポケモン財産または二次コンテンツの利用については許諾されない点を念頭に置いておきましょう。

任天堂ガイドラインで認められる動画・静止画の投稿ルール

任天堂ガイドラインで認められる動画・静止画の投稿ルール

任天堂は2018年11月29日にネットワークサービスに関するガイドラインを公開しており、随時更新が行われています。このガイドラインは個人のお客様による投稿を対象としており、法人等の団体は対象外となっています。

投稿が認められる条件として、まず「正式な発売日またはサービス開始日を迎えた著作物のみ使用可能」という点があります。発売前のゲームについては、任天堂が公式に公開したゲーム著作物のみ投稿に利用できます。また、「創作性やコメントが含まれた動画・静止画であること」も条件のひとつです。ゲーム実況や紹介動画はこの条件を満たすものとして投稿が認められています。

一方で対象外となるものもあります。プロモーション動画の転載・ゲームの音楽・ムービーシーン・イラスト集のコピーなどは、このガイドラインの対象外です。また、違法または不適切な投稿、公序良俗に反する投稿については法的措置の対象となります。

投稿可能な条件は「営利を目的としない場合に限る」とされています。ただし、後述するように特定のプラットフォームの収益化システムについては別途指定があります。ガイドラインは随時更新される可能性があるため、定期的に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。

投稿の収益化が認められるプラットフォームと注意事項

投稿の収益化が認められるプラットフォームと注意事項

任天堂のガイドラインでは、営利目的の投稿は原則として認められていませんが、「別途指定するシステム」に該当するプラットフォームについては収益化が可能とされています。

収益化が認められているプラットフォームとして、YouTubeパートナープログラム、ニコニコ動画・生放送のクリエイター奨励プログラムおよびニコニコチャンネル、Twitchアフィリエイトプログラムおよびパートナープログラム、X(Twitter)プレミアムサブスクリプション、Facebook/METAのパートナー収益化、TwitCastingのライブ収益、Mirrativのギフト、17LIVEのギフト、Instagramのサブスクリプションおよびボーナス、OPENREC.tvのOPENREC Creators Programが挙げられています。

これらのプラットフォームを通じた収益化については認められていますが、いくつかの注意点があります。あくまでも「創作性やコメントが含まれた動画・静止画」であることが前提であり、ゲームの音楽やムービーシーンをそのまま転載したような内容は対象外です。また、このガイドラインはあくまでも個人を対象としており、法人が同様の活動を行う場合には別途許諾が必要になります。ガイドラインの内容は随時更新される可能性がある点にも留意が必要です。

個人の趣味での二次創作と守るべきマナー

個人の趣味での二次創作と守るべきマナー

ポケモンの二次創作はイラスト・同人誌・アンソロジーなど多数の形式で活発に行われており、pixivをはじめとするプラットフォームにも多くの作品が投稿されています。サークルのお品書きや頒布物のサンプルなども公開されており、ファンによる創作文化が広がっています。

ただし、公式や公式から派生した作品の二次創作を行ううえで、最低限のマナーを守ることが求められています。たとえば、腐向けタグの有無や「オリジナル」「捏造」といった文字の有無についても、コミュニティ内で厳しく問われることがあります。

また、注意点として、コロコロコミックなどの雑誌に掲載されている漫画やポケモンアニメは「派生作品」であり、二次創作ではなく公式の関連作品に位置づけられています。同様に、雑誌公募で採用された創作技は「派生技」として扱われます。この区別を意識しておくことで、誤った情報の拡散を防ぐことにもつながります。

株式会社ポケモンのガイドラインとしては、個人の趣味での二次創作は黙認されているものの、公式からの明確な許可が出ているわけではない点を忘れないようにしましょう。また、各作品の二次創作に関するガイドラインは随時更新される可能性があります。

ポケモン二次創作で知っておきたい著作権侵害と合法的な活用法

  • 著作権侵害になる可能性がある具体的なケース
  • 著作権を侵害せずにポケモン素材を合法的に利用する方法
  • ポケモン著作権侵害の実例と想定されるペナルティ

著作権侵害になる可能性がある具体的なケース

著作権侵害になる可能性がある具体的なケース

ポケモンの著作物を利用する際に、著作権侵害となる可能性があるケースはいくつかあります。

まず、商業目的での利用です。著作物の利用は個人的に楽しむ場合に限り許諾されており、商業目的での利用はこの範囲を超えるものと判断される可能性があります。

次に、法人による無許諾使用です。任天堂のガイドラインは個人を対象としており、法人の場合は私的使用に該当しないとされています。法人が同様の活動を行う場合には、別途許諾を得ることが必要です。

二次創作コンテンツの無許諾販売も問題となります。任天堂は動画・音楽・静止画を許可なく販売しないよう求めており、株式会社ポケモンはデータの改変・配布ができないことを明示しています。

ゲーム配信については、創作性やコメントが含まれたゲーム実況や紹介動画の投稿は認められていますが、禁止行為も定められています。また、商品化や公式画像の商用利用を行う場合には、個別契約が必要となります。

アニメ作品の違法コンテンツについては、著作権管理を委託されている株式会社小学館集英社プロダクションが世界各国の動画投稿サイト等を監視し、差止対応を行っています。

著作権を侵害せずにポケモン素材を合法的に利用する方法

著作権を侵害せずにポケモン素材を合法的に利用する方法

ポケモンの素材を合法的に活用できる方法もいくつか存在します。

まず、ポケモンセンター公式X(旧Twitter)が提供する素材として、SNSアイコンや壁紙として許可された画像があります。公式が提供している素材であれば、指定された用途の範囲内で利用することができます。

教育・保育目的に向けた素材としては「ポケモンイラストラボ」があります。100種類以上のイラスト・ぬりえ・ポスター素材を無償でダウンロードできる仕組みです。対象施設は、小学校(公設学童含む)・幼稚園・保育園・認定こども園・児童館(屋内施設)・図書館・小児医療機関・公民館や生涯学習センター等の子ども用スペースとされています。利用は施設内の非営利活動における使用に限られており、Webサイトや屋外看板などへの使用は認められていません。

著作権法第30条の私的使用(個人的または家庭内など限られた範囲内での複製)も、法律上認められている利用形態のひとつです。

また、2018年4月から開始された「ポケモンローカルActs」というプロジェクトでは、各地の自治体が推しポケモンを選んで地域の魅力とともに発信する活動が行われており、使用料は無償です。グリーティングやラッピングトレイン・ポケモンマンホール・観光PR動画への活用事例があります。

ポケモン著作権侵害の実例と想定されるペナルティ

ポケモン著作権侵害の実例と想定されるペナルティ

ポケモン関連の著作権侵害に関する実際の事例はいくつか報告されています。

2016年には、モンスターボールを模倣したモバイルバッテリーが家電量販店のオンライン販売サイトで多数出回り、販売停止措置が取られました。このケースでは安全性確認テストが実施されていなかった点も問題視され、販売会社に対する法的措置を含む調査も行われました。

2021年12月3日には、株式会社ポケモンが中国のゲームアプリ「口袋妖怪:复刻」の運営者に対して知的財産権侵害訴訟を提訴しました。このゲームにはポケモンのキャラクターや戦闘システムに酷似した要素が含まれていたとされています。2024年7月12日には広東省深圳市中級人民法院にて著作権侵害行為が認定され、不正競争防止法の違反行為も認定されました。損害賠償金として1.07億元(2024年7月12日のTTMレートで1元あたり21.89円換算、約23.4億円)の支払いが命じられています。

2024年9月18日には、株式会社ポケモンと任天堂がゲーム「Palworld / パルワールド」を開発・運営する株式会社ポケットペアに対して特許権侵害訴訟を提起しました。複数の特許権を侵害しているとして差止および損害賠償を求める内容です。

著作権侵害に対するペナルティとしては、コンテンツの削除要請のほか、著作権法第112条に基づく停止請求・侵害予防請求、損害賠償請求(損害額は著作権法第114条による算定規定あり)、著作権法第119条による原則として10年以下の懲役または1,000万円以下の罰則が定められています。

ポケモン二次創作ガイドラインの確認ポイントまとめ

この記事のまとめです。

  • ポケモンの著作権は任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリーク・株式会社ポケモンの4社が管理している
  • ポケモングループが指定する第三者にも著作権が帰属する場合がある
  • 個人の趣味目的での二次創作は黙認されているが、公式からの明確な許可はない
  • 任天堂のガイドラインは個人を対象としており、法人等の団体は対象外となっている
  • 投稿には「創作性やコメントが含まれていること」という条件がある
  • ゲーム実況や紹介動画は投稿が認められているが、プロモーション動画の転載や音楽・ムービーシーンのコピーは対象外
  • 営利目的の投稿は原則禁止だが、任天堂が指定するプラットフォームの収益化システムは例外として認められている
  • 商用利用を行う場合は株式会社集英社プロダクションへの申請が必要になる
  • 商品化や公式画像の商用利用には個別契約が必要
  • ポケモンイラストラボでは教育・保育目的に限り、100種類以上の素材を無償で利用できる
  • ポケモンローカルActsでは自治体が推しポケモンを使用して地域PRに活用でき、使用料は無償
  • 著作権侵害の実例として模倣商品の販売停止・中国ゲームアプリへの訴訟・パルワールドへの特許侵害訴訟がある
  • 著作権を侵害した場合は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰則が科される可能性がある
  • 各ガイドラインは随時更新される可能性があるため、公式サイトでの定期確認が必要
  • 二次創作を行ううえではコミュニティのマナーも守ることが大切で、腐向けタグや「捏造」表記の有無なども問われる
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この記事を書いた人

初代ポケモン発売当時からのゲーマー。
発売から29周年にもなる超大ヒットゲームになるとは・・・
旧作から最新版まで、かゆいところにも手が届く情報発信を心がけています。

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