発売から約1ヶ月が経過した『Pokémon LEGENDS Z-A(以下ZA)』。「ミアレシティを舞台にした新たな伝説」として世界中が注目した本作ですが、検索候補に「ひどい」「つまらない」という不穏なワードが浮上しているのをご存知でしょうか。
実際にSNSや攻略サイトのコメント欄では、パフォーマンス問題やゲームボリュームに対する厳しい意見が飛び交っています。しかし、そのすべてが真実なのでしょうか?この記事では、シリーズ全作品をプレイしてきた筆者が、実際にSwitch版とSwitch 2版(Switch 2 Edition)の両方をプレイし、ネット上の悪評の真偽を徹底検証します。購入を迷っている方、クリアしてモヤモヤしている方は、ぜひ最後までお付き合いください。
- Switch 2版でも完全には解消しきれない「処理落ち」と最適化不足の実態
- 「ミアレシティ完結」によるフィールド探索の物足りなさと閉塞感
- 前作アルセウスより難化した「1対多数バトル」のストレス要因
- 批判の中にも光る「シナリオの完成度」とメガシンカの新たな戦略性
- 2025年12月10日配信予定のDLC「M次元ラッシュ」への期待と現状
「ポケモンZAはひどい」と言われる4つの致命的な理由
- 処理落ちとカクつき:Switch 2でも発生するパフォーマンス問題
- 「ミアレシティ完結」が招いたフィールド探索の物足りなさ
- 理不尽な難易度?ストレスが溜まる「野生の群れバトル」
- クリア後の虚無感:エンドコンテンツとボリューム不足の現実
処理落ちとカクつき:Switch 2でも発生するパフォーマンス問題

本作の評価を最も下げている要因は、間違いなく「パフォーマンスの最適化不足」にあります。2025年10月16日の発売前から懸念されていた点ですが、実際に製品版をプレイしてみると、その深刻さは予想以上でした。特に、多くのポケモンやNPCが画面内に表示されるシーンや、派手なエフェクトを伴うメガシンカ発動時に、フレームレートが著しく低下します。
従来のNintendo Switch版でプレイしている場合、ミアレシティの特定のエリア(特に中央広場や人の多いカフェ周辺)を移動するだけで画面がカクつき、没入感を大きく削がれてしまいます。さらに驚くべきは、スペックが向上した「Nintendo Switch 2」でプレイした場合でも、完全な改善が見られない点です。以下の表に、筆者が検証した体感パフォーマンスをまとめました。
| 検証項目 | Nintendo Switch版 | Nintendo Switch 2版 |
|---|---|---|
| ロード時間 | 長い(エリア移動で10秒前後) | 短縮(数秒程度で快適) |
| テクスチャ解像度 | 粗さが目立つ | 鮮明で美しい |
| 街中移動時のFPS | 頻繁に低下する | 概ね安定するが人混みで低下 |
| バトル時の挙動 | エフェクト重複で重くなる | メガシンカ時に一瞬のカクつき |
アクション要素が強い本作において、入力遅延や画面の引っかかりは致命的です。相手の攻撃を回避しようとした瞬間に画面が固まり、被弾してしまう理不尽な状況は、プレイヤーに多大なストレスを与えています。今後のアップデートでの改善が待たれますが、発売から1ヶ月経過した現時点でも劇的な修正パッチが配信されていないことは、開発体制への不信感にも繋がってしまっています。
「ミアレシティ完結」が招いたフィールド探索の物足りなさ

前作にあたる『Pokémon LEGENDS アルセウス』が高く評価された理由の一つに、広大なヒスイ地方を自由に探索できる「冒険感」がありました。雪山、海岸、湿地帯といった多様なバイオームを巡り、そこに息づくポケモンを発見する喜びが、レジェンズシリーズの醍醐味だと多くのファンは感じていました。しかし、本作『ZA』の舞台は「ミアレシティ」という一つの都市の中に限定されています。
もちろん、都市の作り込みは緻密で、地下水路や高層ビルの屋上など、立体的な探索要素は用意されています。しかし、どこまで行っても「人工物」の中での冒険であり、大自然の中で未知のポケモンと遭遇するワクワク感は薄れてしまいました。「都市再開発」というテーマ上、仕方のないことではありますが、画面映えのする絶景や、旅をしている感覚を求めていたプレイヤーからは、「代わり映えがしない」「閉塞感がある」という厳しい意見が寄せられています。
また、都市内に出現するポケモンも、都市環境に適応したものに限られるため、出現ポケモンのラインナップに偏りを感じるという声も少なくありません。2025年12月10日に配信が決定しているDLC「M次元ラッシュ(Mega Dimension)」で異次元空間やレベル100を超える高難易度エリアが追加される予定とはいえ、本編だけで完結する探索体験としては、前作と比較してスケールダウンした印象を拭えないのが正直なところです。
理不尽な難易度?ストレスが溜まる「野生の群れバトル」

『アルセウス』でも賛否が分かれた要素の一つに、主人公が複数の野生ポケモンに同時に襲われる「1対多数」の状況がありましたが、本作ではその仕様がさらに厳しくなっています。ミアレシティの路地裏や地下エリアでは、野生ポケモンが群れで行動していることが多く、戦闘に入ると「1対3」や「1対4」の状況が頻発します。
問題なのは、こちらのポケモンの行動回数が相手の数に追いつかないバランス調整です。本作のバトルシステムでは、相手の数だけ連続で攻撃を受けることになり、こちらのポケモンが行動する前にHPを削りきられてしまうことが多々あります。特に、状態異常技を連発してくるポケモン(例:エレキテルやメェークルなどの群れ)に囲まれると、回復アイテムを使う暇もなく全滅させられることも珍しくありません。
また、捕獲システムに関しても、複数のポケモンが同時に攻撃的な挙動を見せるため、狙いを定めてボールを投げることが非常に困難です。アクションが苦手なプレイヤーにとっては、これがいわゆる「詰み要素」に近いストレス源となっており、「難易度が高いというより、理不尽」という評価に繋がっています。ステルス要素で回避しようにも、都市部の狭い通路では見つからずに進むのが難しい場面も多く、ゲームデザインとレベルデザインのミスマッチを指摘する声も上がっています。
クリア後の虚無感:エンドコンテンツとボリューム不足の現実

多くのRPGにおいて、メインストーリークリア後の「やり込み要素」は作品の寿命を左右する重要なポイントです。しかし、残念ながら『ZA』はこの点においても批判の的となっています。メインストーリー自体は20時間から25時間程度でクリアできる適度なボリュームですが、エンディングを迎えた後にやることが極端に少なくなってしまいます。
図鑑完成を目指すことはもちろん可能ですが、前述の通りフィールドが都市内に限定されているため、探索の幅が狭く、作業感が強くなりがちです。また、対戦環境(ランクマッチ等)は『スカーレット・バイオレット』が依然としてメインであり、本作には本格的なオンラインランクマッチ機能が実装されていません(フレンド対戦や「ZAロワイヤル」などの限定的な要素のみ)。そのため、育成したポケモンを活躍させる場が乏しいのが現状です。
「M次元ラッシュ」という追加コンテンツが控えているものの、発売日時点でのパッケージとしての完成度を問われると、フルプライスのゲームとしては物足りなさを感じざるを得ません。「未完成品を売られた」「DLCありきの商法ではないか」といった辛辣な意見が出るのも、このクリア後のコンテンツ不足が大きな要因と言えるでしょう。
酷評は本当?実際にプレイして分かった「評価されるべき点」
- シリーズ屈指の完成度!エンディングで泣けるシナリオの深み
- 都市開発とパルクール:ミアレを縦横無尽に駆ける爽快感
- メガシンカの復権と「戦略的変身」がもたらすバトルの進化
- 【結論】ポケモンZAは「買い」か?おすすめできる人の条件
シリーズ屈指の完成度!エンディングで泣けるシナリオの深み

ここまで厳しい意見を並べてきましたが、本作にはそれらを補って余りある魅力が存在します。その筆頭が「ストーリーの素晴らしさ」です。ネタバレになるため詳細は避けますが、ミアレシティの再開発に隠された「人とポケモンの共存」というテーマ、そしてタイトルにもある「Z」と「A」が意味する歴史の真実は、大人のプレイヤーこそ心に刺さる深みを持っています。
特に、カロス地方の歴史に深く関わる「AZ(エーゼット)」という人物と、彼の愛したポケモンの物語が、本作の主人公の視点を通じて現代(あるいは過去)のミアレシティとどう交差していくのか、その描写は圧巻です。エンディングの演出は、近年のポケモン作品の中でも群を抜いてエモーショナルであり、多くのプレイヤーが「終わり良ければすべて良し」「ストーリーだけで元は取れた」と評価を覆しています。
キャラクター描写も丁寧で、再開発を取り巻く様々な人間ドラマは、単なる勧善懲悪では終わらないリアリティを持っています。テキストの質も高く、世界観に没入して物語を楽しみたいプレイヤーにとっては、間違いなく満足度の高い作品に仕上がっています。
都市開発とパルクール:ミアレを縦横無尽に駆ける爽快感

「探索がつまらない」という批判がある一方で、都市内での移動アクション自体は非常に高い完成度を誇ります。本作で導入されたパルクールアクションや、ライドポケモン(ゴーゴートやオンバーンなど)を使った移動は、操作していて純粋に楽しいものです。
ビルからビルへと飛び移ったり、ローラースケートで大通りを高速で駆け抜けたり、空中のレールを滑走したりと、立体的な都市構造を活かした「移動の遊び」は、これまでのシリーズにはない新鮮な体験です。特に、操作に慣れてくると、止まることなく流れるように目的地へ移動できるようになり、まるでアクション映画の主人公になったような爽快感を味わえます。
また、都市開発が進むにつれて街の景観が変化し、行ける場所が増えていくシステムも、プレイヤーに「街を作っている」という実感を与えてくれます。最初は殺風景だったエリアが、自分の活躍によって活気ある場所に変わっていく過程は、探索とはまた違った達成感をもたらしてくれます。
メガシンカの復権と「戦略的変身」がもたらすバトルの進化

バトルのパフォーマンス問題はあれど、システム面での「メガシンカ」の扱いは非常に好評です。本作では、バトル中に特定の条件を満たすことでメガシンカが可能になりますが、単なるパワーアップではなく、戦局を覆すための重要な戦略要素として調整されています。
従来の作品では、メガシンカできるポケモンが固定化されがちでしたが、本作では多くのポケモンに新たなメガシンカ、あるいはそれに準ずる強化形態が追加されており、意外なポケモンがエースとして活躍できる環境が整っています。野生ポケモンとのバトルでも、相手が強力な「ヌシ」クラスの場合、こちらもメガシンカをタイミングよく使わなければ勝てないような歯ごたえのある難易度になっています。
また、メガシンカのエフェクトやモーションも一新されており、特にSwitch 2環境(パフォーマンスが安定している場面に限りますが)での映像美は必見です。あの大迫力の変身シーンを見るだけでも、本作をプレイする価値があると言えるでしょう。
【結論】ポケモンZAは「買い」か?おすすめできる人の条件

最後に、これまでの分析を踏まえて、本作を購入すべきかどうかの判断基準をまとめます。
| 判断基準 | おすすめできる人(買い) | 見送るべき人(ステイ) |
|---|---|---|
| **重視する要素** | ストーリー、世界観、キャラクター | 快適な動作、60fps維持、バグのなさ |
| **好みのジャンル** | 都市型アクション、パルクール | オープンワールド探索、自然散策 |
| **プレイ環境** | Switch 2所有、または画質優先 | 初代Switch、または携帯モード中心 |
| **バトルの好み** | 戦略的なメガシンカ、高難易度 | テンポ重視、対人ランクマッチ勢 |
まず、買うべき人は、ストーリー重視のプレイヤーです。カロス地方の世界観や謎に興味がある、あるいは感動的な物語を体験したいという方には、自信を持っておすすめできます。また、Switch 2をお持ちの方は、より良い画質環境でプレイできるため、加点要素となります。
一方で、見送るべき人は、快適な動作環境を最優先するプレイヤーです。処理落ちやカクつきが許せないという方は、今後のアップデートで修正されるのを待つのが賢明です。また、『アルセウス』のような広大な自然探索を求めている方や、クリア後のやり込み(対戦や収集)を重視する方にとっても、現状のボリュームでは満足できない可能性が高いです。12月10日のDLC配信まで様子を見る、というのも一つの賢い選択肢と言えるでしょう。
総括:不完全だが光る原石、『ポケモンZA』が描く都市伝説の真価
- 現在は2025年11月、発売から約1ヶ月経過時点での評価である。
- 「ひどい」という検索意図は、主にパフォーマンス問題に起因する。
- Switch版だけでなく、Switch 2版でも処理落ちは完全には解消されていない。
- 舞台が「ミアレシティ」のみであるため、探索の自由度は前作より低い。
- 同じ風景が続くため、バイオームの多様性を求める層からは不評である。
- 野生ポケモンとの「1対多数バトル」は難易度が高く、ストレス要因となっている。
- クリア後のやり込み要素が薄く、ボリューム不足を感じるプレイヤーが多い。
- オンライン対戦機能が限定的で、対戦勢には物足りない仕様である。
- 一方で、シナリオの完成度は非常に高く、エンディングの評価は絶大である。
- 「人とポケモンの共存」というテーマが深く掘り下げられている。
- 都市内を移動するパルクールアクションやライド機能は爽快感がある。
- メガシンカの演出や戦略性は進化しており、バトルの楽しさを支えている。
- ストーリー重視のプレイヤーにとっては「神ゲー」になり得るポテンシャルがある。
- 快適性を重視するなら、パフォーマンス改善パッチを待つのが賢明である。
- 12月10日配信予定のDLC「M次元ラッシュ」による評価の好転が期待されている。

